溺れるナイフ

 山戸結希監督の溺れるナイフ。女子中高生に囲まれながら映画館で。ほぼ満席。
 個人的にはよくまとめたんじゃないかと高評価。パラりと原作読むと、こりゃ原作ファンは受け入れられないだろうなとそれはわかりました。基本的には過剰な映画で、一方で原作ファンには欠損のおおい映画なのだと思いました。
 ストーリーも野太くはなく、あくまでも美しい映像とバックグラウンドというにはあまりにも主張の強い音楽を推進力に、映画は進んでいく。菅田将暉小松菜奈が追いかけっこをするシーン(森の方)、大きな水たまりを菅田将暉が飛び越えるシーン(、ほかにもたぶんあったが忘れた)、これは映画の魅力を存分に発揮していたと思う。また、指の動きか何かに合わせてBGMがかかるシーンも実に映画らしい心奪われるシーンだった。
 加点法で観ていくと、映画の喜びに浸れるのだけど、減点法で観ていくと、引っかかるところの多い映画だとは思います。
 上白石萌音がスクリーンに移るシーンはかなり限られるのだけど、非常に印象に残る素晴らしい演技をしている。
 音楽があまりに過剰でうるさいという意見には同意します。
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