ニンフォマニアック

 ラース・フォン・トリアー監督のニンフォマニアック。DVDで。
 4時間をかけたニンフォマニアジョーに関する女一代記。正直、vol.1とvol.2の半分くらいは退屈だった。とっかえひっかえセックスしようが、初体験からAFしてようが、フィストファックしようが、ガチのSMだろうが、レズプレイしようが、現代のAVをある程度見てきた人間には刺激足りえない。ぼかし入っているからステイシー・マーティンの裸体がどうこうということもない。
 ジョーが集団セラピーに行くシークエンスで、しおらしく家具の角っこに軒並み緩衝材貼ったり(笑うところ)、片っ端から家財を捨てるところで、なんだかなーここまで突き進んできた人間がたかが上司に言われたくらいでこんなに堕落してしまうかねと思いながら惰性で観ていたのだけど、ジョーが思い直して私はニンフォマニアだ何が悪い的な悪態をついたところから、急に面白くなった(ここまで3時間)。若干説教臭い感じではあるのだけど、セクシュアルマイノリティの自立の話とすっと受け入れられて(LGBTに比べてニンフォマニアとかペドフィリアってさらに立場悪いよなという自分の固定観念・偏見を指摘された感)、物語世界に感情移入ができ始めた。
 しかし最後の落語みたいなオチにはびっくりした。もうちょっと別のやり方あるだろ的な。
 自分も観た日本向けでは、自分中絶シーンがまるまるカットされているという噂。性器にぼかしが入っているのと合わせて興ざめですね。インターネットで海外サーバーのwebページにアクセスできる時代にそんなことしてもねえ。