あん

 河瀬直美監督の「あん」。プライムビデオで。またしばらくは河瀬直美を観なくていいという自信がついた。
 演出は控え目、作家性の誇示も控え目、ドリ助の原作を読んでみようかなと思える位の出来で、むしろ「あんこ」の画が魅力的でこれは東京五輪記録映画の監督は正解なのかと思って見ていた。見ていた。
 前言撤回、原作*1にあるのであろう教育的なストーリーに移ると前言撤回。手持ちカメラが気になるのが限度を超え、人物描写(特に甥っ子)の貧弱さに我慢がならなくなったところでゲームオーバー。
 最初っから手持ちカメラは気にはなっていた。カメラがよく動くことで、物語世界に集中できない。手持ちカメラで撮影することで、観客は誰の視点なのか考えさせられてしまうことを、監督は知っているのだろうか?河瀬直美は、採用するカメラワークに論理を持っているのだろうか?
 30fps?の連続写真なのかな。彼女の撮ったものは。
また5年から10年は彼女の撮ったものを観なくても大丈夫そうだ。

あん

あん

*1:第25回読書感想画中央コンクールの指定図書(中学校・高等学校の部)