月夜釜合戦

 ユーロスペースで月夜釜合戦。上映後ティーチインは佐藤零郎監督・川瀬陽太瀬々敬久の3人の回。
 瀬々が控えめに「映画がうまくない」と言ったように、well-madeからほど遠いところにあるこの映画。後半(特に残り30分くらいから)物語は淀んで物語的な面白さは薄い。ただ関西に過ごしたことのある人間にはわかる、釜ヶ崎の空気を切り取った記録映像的価値の高さが光る。新世界もどんどんキレイに脱臭脱色されていく昨今、何か忘れてはいけない光と影の影の部分を思い出した。そして、影というのは悪い意味ではなく、単に影なのであり、そこにはそこの生活や喜びや幸せがあるのだと。
 まあでも、足立正生を出演させて物語世界を少しでも外へ開く意図云々は、それは自主映画界隈の内輪の論理であって、別にそれで物語が開くかというと。。。
tukikama.com