愛がなんだ

 今泉力哉監督、愛がなんだ。平日午後3時で満席というすごみ。
 岸井ゆきの演じるテルコを主人公として、テルコが思いを寄せるマモル、テルコの親友葉子、葉子に思いを寄せるナカハラ、マモルが思いを寄せるすみれを中心に(といっても、前半体感99%テルコの表情がスクリーンに映し出されていたが)描かれる。
 上に「思いを寄せる」が3度登場する通り、矢印は行き違う。そして、思いの非対称性が相似形であったり、鏡像であったり、お互いの関係性にもフィードバックされたりする。
 テルコはどこにも行きつかない。テルコは、逡巡こそするものの、テルコであり続ける。中盤、鏡像のように描かれたナカハラとは決定的に異なっていた。では「テルコ」とはなんだ?そして、テルコがマモルに寄せる思いとはなんだ?
 狗飼恭子が↓と言っていたが、


なるほど、ホラーとして捉えれば、いろいろ腑に落ちる。
 この映画のヒットに伴い、筒井真理子片岡礼子にもっと陽が当たるようになるといいなと心から思う。
 愛がなんだってんだよ!
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