銃・病原菌・鉄

 ジャレド・ダイアモンドの銃・病原菌・鉄。文庫で。
 おおむね導入と結論はプロローグとエピローグがまさに対応していて、そこだけ読めば何が書いてあるか、よくわかる。学術論文そのものの構成になっている。なぜヨーロッパ人が世界を制したのか、その理由を探す旅。
epilogueより

人類の長い歴史が大陸ごとに異なるのは、それぞれの大陸 に居住した人びとが生まれつき異なっていたからではなく、それぞれの大陸ごとに環境 が異なっていたからである、と。

 NHK、3ヶ月でマスターする世界史にもなかなか日本は登場してこなかったように、日本はメインとしては登場しないので触れられていなかった点として、以下が気になった。
 開国の度合いが増して日本人人口が激減したという話は聞かないので、日本は昔から病原菌的な意味では開国していたということだろうか。
 また、13章に下記の記述があり、

たとえば、半導体アメリカで発明され、特許化されたのに、半導体製品の世界市場を牛耳っているのは日本である。これは、アメリカの対日本貿易赤字の一因ともなっている。どうしてこんなことになったのだろうか。

得も言われぬ気持ちになる。