DESIGNART TOKYO 2025

 おもにTORQ DESIGNと吉田桃子をお目当てに。
 TORQ DESIGNのPyro PLA Project、面白かった。工芸として、生活に入り込んでいくという意味では実用観点では難しいのは否めないものの、オリジナリティあるテクスチャを探索していることは伺えたし、実際にオリジナリティあるテクスチャが得られている。熱可塑性樹脂であるので、3dプリント品を熱成型することは当然可能で味があって面白かった。
 吉田桃子の展示も面白かった。比較対象を持たないので何とも言えないのだけど、私個人としては新たな視点を提示された気分。
 その他JR高架下とHIBIYA OKUROJIの展示はついでに。モビールという名詞を知った。
www.designart.jp

新しい建築の当事者たち

 TOTOギャラリー・間にて。最終日前日で地獄の人混み。あと謎の外国人集団来館者が。
 目的は3dプリント実物のテクスチャや強度を観たくて。なので

  • AHA 浜田晶則建築設計事務所 トイレ4 土の峡谷
  • PONDEDGE+farm+VOID トイレ7 島の蜃気楼

の両展示を体験してきました。住友化学のポリカ使っているのね。
jp.toto.com

パナソニック食器洗い乾燥機NP-TR1修理

 題の通り。センサーのエラーで給水→排水→給水→と無限ループに陥り正常作動しなくなってしまった年期物の卓上型食洗器。リンク先の神的な事例を参照して、ボトムパネル解体から、センサーを(できるだけ)綺麗にすることで正常作動するようになりました。
bcbweb.bai.ne.jp
satolabo.net
 解体は同じNP-TR1の上の事例が、実際のエラーの原因となっているセンサーについては下の事例が参考になりました。2本のセンサープローブのうち片方が緑青?で散々な有様になっていたのをウエットティッシュで拭き拭きして事なきを得ました。

水位センサー?

 事例をwebにアーカイブしてくれる方々には感謝の一言です。私も上の事例同様、ボトムパネルを組み戻すところに一番手間取りました。重力でパネルの穴と内部パーツの位置がずれてうまく入らなくなるので、本体を逆さにするくらいの勢いで本体側の角度を変えたら組み戻せました。

作り方を作る 佐藤雅彦展公式図録

 佐藤雅彦展の公式図録、作り方を作る。これは必読。
 正直言えば、武勇伝であり、そう呼ばれることは免れ得ない本なのだけど、面白い。知的にも。時代を象徴するものを作ってきた人の個展であるので、昭和末期からの歴史であり、30云年前のキョンキョンを見ると目頭が熱くならざるを得ない。
 これが必読である理由は、巻末の横浜美術館主席研究員の論考にある。展示を観て、佐藤雅彦の主体性や主張はよく展示されている一方、美術館の存在が全くもって感じられないことが不満だったのだけど、巻末の論考が展示の冒頭にステイトメントとしてあれば、納得であった。まあ、ただし、論考を読んでも、批評・キュレーション的なものは作者に圧倒されている印象ではある。佐藤自身がある程度十分に自己批評を含んでいるとも言えるのかもしれない。

坂元裕二論

 成馬零一の坂元裕二論。bookpondで購入。近作は結構観てきたんだなという感想。
 普段PLANETSのコンテンツを元ネタに楽しんでいるので、家族でない共同体的な切り口から坂元裕二作品を観てきたが、成馬は「理解できない他社とどう向き合うか?」(p210)を軸の一つにして観ているようで、その点でも興味深かった。
 また、フェミニズム作品に対する不満という観点での大豆田とわ子と三人の元夫設定の評も興味深かった。
 また、「おわりに」に書かれているように、片思い世界のパートで強く結論付けた記載があり、著者としての覚悟を見せてもらった。
 結構誤植が多い。

これより前に2つあったと記憶
p109斜千→紗千
p210女→娘?
p222光夫→光生

佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)

 横浜美術館佐藤雅彦展。すごい人混み。
 佐藤雅彦が活躍した時代をある意味並走して生きてきたので、ノスタルジーをくすぐられるということもあり、正直面白く展示を観た。印象としては隠すことなく詳らかにしてくれている印象で、好印象。人が多く、面倒くさくなって最初の方のCM集はスルーしてしまったが。
 一方で、彼の選んだ彼の言う彼の手法を展示している印象なので、キュレーションとは?批評とは?という感想も持った。個人的には批評的なレイヤーの展示も欲しかった。
 人の認知について掘り下げていっている観点から、佐藤雅彦と小鷹研理の取り合わせってどうなんだろうと思った。
 工場が心に引っかかったという話なので、3Dプリンタの動作にもかなり心惹かれるのではないかと思うのだけど、田中浩也研とは絡みなかったんだろうか?
yokohama.art.museum

現代マンガ選集 少女たちの覚醒

 宇野書店でこんなものが出ていると知り、手始めに一番最後の(読んだことのある作品の無さそうな)これを。
 興味深くはありました。