もうそろそろいいかなと思ってブクオフでワンコインで買ってみた。泣けた。
この小説は小説としてのできはひどいものだと思う。それは1人称で書いておいて、さらに遠慮なく主観モロだしの文章が400ページ超もひたすらに綴られているのだから。医者というものに対する不信感や、葬儀屋に対する敵意とか、どこからでも突っ込める全方位ノーガードの稚拙なご意見で、読んでいてイラッと来て、これはさすがに編集者がチェック入れちゃえよと思ったりした。だけども、お金を払う価値のある文章だと感じた。
形式がひどいであるとか、小学生っぽい意見であるとか、そういう部分を飲み込んで、それでも伝わってくる小説だった。リリー・フランキーの思いがあふれていて、胸一杯になっちゃうような、そんな小説。
- 作者: リリー・フランキー
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2005/06/28
- メディア: 単行本
- 購入: 8人 クリック: 425回
- この商品を含むブログ (1443件) を見る