松尾スズキのこの日本人に学びたいを読んだ。
圧倒的におもしろかった。このおっさんはサブカル強いし、視点がずれてるし、ネタのためなら故人にも毒吐くし、雑誌の連載なのに字数の半分以上前置きに費やされるし、しかもその内容は字数を増やしたいがためにも見えるような文章だし。やっぱり伊達に人生すべりまくってないなと、伊達にヒモやってないなと、思った。それに、宮崎吐夢のプロフィールと注釈もおもしろい。今の使い捨てみたいな芸人が吐く毒より100倍ぐらいおもしろい。センスがいいんだろうか?
ノイズを抜いた、「言いたいこと」だけを伝えるような、そんな表現だけではつまらない。それに付随するノイズも、含まれた情報として、世界の一部として、現実として、全部まとめて語る、それも大事なことだと思う。彼も言う、「私はノイジーなリアルを語れる作家になりたい」と。一つの真理だろう。
これと大人失格を読んだら、彼の初監督作品の「恋の門」も見てみたくなったとさ。
- 作者: 松尾スズキ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2004/01
- メディア: 文庫
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