奇人たちの晩餐会というフランスコメディを見た。とんでもなく面白かった。
セレブたちがバカをバカにして楽しむという趣味の悪い晩餐会というのがある。出版社の社長ピエールが、マッチ棒でゴールデンゲートブリッジからエッフェル塔から何でもつくってしまう男、ピニョンを見つけ連れて行こうとするが、ギックリ腰を患い彼と一晩付き合うことに…となって起こるさまざまのドタバタ劇だ。ハゲでブサイクで太ってて…という見た目だけでもすごい男が、またとんでもなくバカなのだ。というより、超を10個付けたいくらい要領が悪い、見ていてイライラするくらい。人はものすごくいいんだけどね(もちろん善意ってのが曲者でおもしろい)。その要領の悪さのせいで、ピエールは絶交していた(元)親友と会うハメになり、愛人に自殺するといわれるハメになり、税務査察官に目をつけられ、、、といろいろな喜劇(もちろん当人にとっちゃ悲劇)が起こる。面白い。とんでもなく面白い。最後の5分で力技でいきなりいい話になるのかと思いきや、ちゃんと最後もオチをつけてくれる。で、出てくるキャラの人間くささがこの映画に一味つけている。いい人なんだけど要領が悪いってのはどこにでもいるもんね。登場人物を善悪の2つに色分けしないのが特長だけど、やっぱり単純に二元論に走らないのがハリウッドと違うところか?
オープニングソングから緩やかなメロディにコン、コン…(コンはフラ語であほくらいの意味)という詞が載っていて、物語のバカさ具合を暗示してる。この映画の面白さに一番寄与しているのは、何と言ってもピニョン役の俳優さん。ハゲでブサイクで太ってて、加えてあんなに人のよさそうな人はなかなかいない。いやーいい顔してるよ。いい演技だし。この下の写真の人。
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