理系人に役立つ科学哲学

 理系人に役立つ科学哲学。ごめんなさい。借りて読みました。半年くらいかけてゆっくりと。
 Amazonのレビューを見ると、懐疑的なレビューもあるのだけど、面白く読んだ。
 それ相応には工学を修め、その後も科学や工学にかかわる分野に携わって云十年だが、恥ずかしながら初めて科学哲学に触れた。これだけの歴史とこれだけの理論家たちが携わる総合的な分野だということも、恥ずかしながら初めて知った。
 「原因」であるとか「説明」であるとか、実験結果の解析解釈と共有時に日常的に用いる用語で何の疑問も差し挟まずに云十年使ってきたが、突き詰めると一つの考え方でまとめてしまえるものはないということが興味深かった。ある意味不安定な基盤をさも当たり前として科学が存在することに驚いた。
 直感的に違和感がないため、全く考えたこともなかったこの分野、末尾でお薦めされている文献を今後も読んでみたい。