すばらしき世界

 西川美和脚本・監督、すばらしき世界。Prime Videoで。
 冒頭淡々とした描写を終え、東京で弁護士家族、ディレクターと心通わせていく描写に、こっから下げてくるんだろうなと身構えイヤな気持ちになりながら観た。ほのぼの音楽まで流してたち悪いな、と(いずれも褒め言葉ですよ)。何度かある朗らかな音楽と心温まるエピソードに身構える。そして案の定な事件がいくつか起こる。内容の性質上、ハッピーエンドにはならないから、覚悟しては観進めるけども、心は映画にしっかりと振り回された。
 この映画の取り扱う社会問題については個人的には割と触れている社会問題ではあるのだけど、相似形の社会問題はいくつか思い浮かび、いずれにしても切り離して隔離してしまうのか、包摂していくのか。私自身、何か活動をしているわけではなく、心に重いものを残された。
 三上の気の短いところ、真っ直ぐで曲がったことが許せないところ、子どものころの毎日ケンカしていた頃を思い出して感極まってしまった。ケンカは弱くてよかった。