新海誠の(?)天気の子。Netflixにて。これは受け入れられないな。
後半、池袋署からの脱走劇、カブでのアクロバティックな動きは、ぐっと惹きつけられ大変面白かったのだけど、それ以外は、もちろん観ていられないというわけではないものの、うーんと唸りながら観ることになった。
- 作り手側が観客に美しいと思ってほしいのであろう手のかかった風景描写だけど、平板に見えて、生活の息遣いのような奥行きが感じられなくて、感情移入できなかった。
- 瀧と三葉と追って四葉との登場と、お前らこういうの観たいんでしょマーケティング臭も気に食わない。
- 帆高は、大規模天災である震災に何かしらの後ろ暗いものを抱えて生きている我々観客の象徴なのだと思うのだけど、少なくとも象徴になっているのだけど、物語上、そのままでいいんだよという極めて無責任な赦しを得たような立場になっており、物語上18歳とは言え、これは作り手側をとても許しがたい。これは全く受け入れられない。
と、もちろん心踊らされる部分部分はあるものの、総じて否定的な感想を持った。ただ、登場人物以外の、外の世界、日本社会は、子供の貧困、子供の性的な取り扱われの放置状況、警察組織、全般に否定的に描かれていて、当然私はその社会の側に所属しているので、それが不快なだけじゃないの?と問われているようにも感じている。