富山県立近代美術館

 富山県立近代美術館に行ってきた。パブロ・ピカソマルセル・デュシャンアンディ・ウォーホル等々有名アーティストの作品を多数所蔵している、なかなかにバブリーな美術館だった。
 その中で最も印象に残ったのが、ルネ・マグリットの真実の井戸という油彩だ。この作品は塀の前の地面に、革靴とスーツをまとった男性の左足のひざから下が一本あるそれだけの絵である。その足はシュールレアリスムらしく写真ばりにリアルだが。ただ、この油彩画の題が真実の井戸であるというところがものすごく引っかかり、絵の前で考え込んだけど全然意味がわからなかった。あとで美術館が出している鑑賞カードによるとわざと関係ない題をつけてびっくりさせたかっただけらしいけど…ホント?
 あとは、ダリの作品を見て、何度見てもこいつの絵は生理的に受け付けない描写だなとか、クリストの島の周りにピンクの幕を張ったインスタレーションと、シーガルの石膏像が中学校の資料集に載ってたの思い出してノスタルジーに浸ったり、トム・ウェッセルマンのスモーカー#26というスモーカーの女性の唇と指先を描いた油絵が、影のつけ方がうますぎて、普通に立体作品だと思ったこととか、、、そんなもんかな。そして、この美術館は結構いい趣味のポスターのコレクションがあって、これがまた面白かった。ポスターという作品の役割から、第一印象を惹くようなものが多いが、やっぱり明らかに「良い」ものと「悪い」ものがあって、センスというものの存在を目の当たりにした。とにかくポスターの面白さを再確認した。
 作品はすごく興味深いんだけど、例の如く展示スペースが狭いので、キツキツな印象が残ってしまったのが残念だ。かといって展示数減らされたらイヤだし…ジレンマ。。。