ストレンジャー・ザン・パラダイス

 ジム・ジャームッシュ監督のストレンジャー・ザン・パラダイスを見た。このチープでセンスのよいポップさはゴダール勝手にしやがれを見たときの感覚に近い。っていうか、明らかに意識されているもんね。
 勝手にしやがれのようにモノクロで撮られた、この唐突に始まる物語は当然面白い。つまり、この明らか過ぎるチープな映画は面白くなければ世に出えない。やっぱりわかりやすくて、ちょっとぷっってなるくらいの軽さ、そうこの軽やかさがこの作品の肝だと思う。たくさんの小さなカットの集合でできてるこの作品は(1シーンごとにきっぱりとカットで区切られている)、そのカットごとに流れがぶった切られるわけだが、それがなんていうか、逆手に取ったような開き直りが心地よい。そのカットごとに、「で、」って言うような感じで、ストーリーがわかりやすくしてあるせいか、漫画みたいなインパクトを受けた。1人の女と2人の男と主人公として物語が進んでいくが、セックスの匂いがくんともしないところも何か、この映画の場合いい。まあ、チープな映画で撮ったらキモイかな?
 ラストが、え?、と期待はずれ感があったけど、この映画はそういう見方をする映画じゃない。偶然を偶然をして受け入れられない人はダメだよ。