蜂の旅人

 テオ・アンゲロプロス監督の蜂の旅人を見た。
 アンゲロプロスの映画は初めて見たのだが、なんだろう、大きいものだった。日本という国ではでき得ない映画だと思ってしまった。花嫁を追って360度回る長回し、全てを失った男を演じるマルチェロ・マストロヤンニ、そして美しい少女と共に寄り添う映画館の舞台、そして哀しいラスト、印象に残ったという言い方が当てはまらないような、もっとそっとした感触が残っている。いい映画ってやつだと思う。