ごめん

 正直面白かった。これまで観てきた冨樫森の映画はイマイチというか駄目だったので、こいつは駄目なんだなと思っていたんだけど。俺が悪かった。
 そりゃ最初から立派にテントを建てていただいたら、駄目とは言えないわな。
 もちろん玉石混交で、女の子の足を追っていくような「あるある」的なカメラの視線や、主人公が振る女の子が子豚ちゃんでものすごく残酷なことをしていたりというすごいいい部分がありつつも、自転車のエピソードのようなあまりにも創り過ぎている過剰包装っぷりや、ある時覗く、それは断じて子供の目線ではないと言い切れるようなカメラの視線のように不満の残る部分がある。でも観てよかったと思わせるだけのドラマであり、成長であり、懐かしい過去である。まあ何度でも言うけど、しょっぱなのテントで勝った気がする。
 ただし、不遇の少年時代を過ごした男からはなんぼでも文句つけられるし、腹立つ物語ですよ。あんな親だったら竹刀で殴るし、精通だの生理だの他人としゃべりたがるとは思えないし、作り手の趣向が入りまくっててイラっとくるけど。まあ、それでいいんだけど。相米のお引越しのにおいがぷんぷんに残っているのも、それはそれでいいんだと思う。

ごめん [DVD]

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