よく知りもしないくせに

 ホン・サンスのよく知りもしないくせに。DVDで。ほとんど別個な2つの作品によってなる2時間。それぞれで1度ずつ「よく知りもしないくせに」と主人公がなじられる。
 映画監督(芸術家肌のようだ)のギョンナムが映画祭の審査員を務めに忠清北道の堤川を訪れた話と、映画を学ぶ学生たちの講師を務めるために済州島に渡った話と、それぞれでの修羅場が描かれる。
 見始めてすぐに、稚拙なカメラワークや安っぽい演技、陳腐なメタファーにうんざりし、まさかの駄作をつかまされたのかとぞわぞわしたのですが、観続けてみると何か心をつかむものを感じた。上手く説明できないのだけど、ストーリー自体は淡々と進むし、気怠くて温度もぬるいと言って差し支えないのだけど、プロットの論理に飛躍があるし、登場人物たちは皆感情の沸点が低いし、ツッコミ入れながら観てしまった。最後まで観られてしまったところに普通に敬意を示したい。女優陣ちょっとキレイめだし。
 とは言っても、意味のわからんパンとかズームが素人臭すぎて鼻につく。テレビじゃねえんだぞと。
 あとDVDのクオリティがかなり低い。字幕のフォント汚いとか、吹き替えなしとか。