きょうのできごと、十年後

 柴崎友香の「きょうのできごと、十年後」  タイトルそのまま、きょうのできごとの登場人物(と初登場の若者1人)の10年後の9/21の群像劇。それぞれ、10年前になんとはなしに考えていた10年後とは違う日々を送っている。そのことを、久しぶりの再開によって、それぞれに突きつけられる。ただ、それだけ。

 私にとって、柴崎友香の小説を読むということは、すれ違い、通り過ぎるだけの人にも、もっと言えば世の中に生きる人の一人一人に語るべき物語があり、それはそれぞれに尊いものなんだと再確認することにある。

 読んで、よかったと、そう思った。

きょうのできごと、十年後

きょうのできごと、十年後