津村記久子の八番筋カウンシル。爽快感というほどのものではないが満足感はある。おそらく、津村記久子の捉えている世界の業の深さ感が、私にとって信頼のおける世界観なんだと思う。
章ごとに、現在(主人公らが30歳前くらい)と子供時代(中学生時代)とを交互に読み進めることになる。そして、主人公たちの心にしこりを残してきた、
- タケヤスの父の話
- カヤナの不思議
- ヨシズミの祖父の謎
についてある種ケジメをつけることになる。
冒頭にも書いたように、安易で爽快感のある結末は用意されない。でも、それでもこの世界は生きるに値するし、主人公たちも、周りの人間たちも、生活を続けていく。そういう物語。
レディオヘッドのAnyone Can Play Guitarが唐突に小品として出現して不意を突かれた。
- 作者: 津村記久子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2014/04/08
- メディア: 文庫
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