黒川幸則監督ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ。新宿ケイズシネマにて。
ツアー中のバンドマン中西(主人公)が移動中の車から追い出されたところは、生きるものと生きていないものが同じような姿をして入り交じって暮らしているところだった。
誰が生きるもので、誰が生きていないものなのか、不確かなところも残されていて、ふわふわとつかみどころがない思いを抱きながら観ることになる。その街の空気も緩んでおり、中西は居所を提供してくれた古賀さんといつも酒を飲みながらいつも煙草を吸いながらダラダラと時を過ごす。
とはいえ、ゆるゆる世界にも問題は転がっており、生きていないものの暴力性が露見することもある。中西は何度か命を狙われたりもする。
ざらざらしたノイズミュージックとともに、暴力の塊も突きつけられるのだけど、でも、のんきな映画でほほえみながら観ることのできる、そんな映画だった。
- 生きていないもの対策的に、赤い水を撒くこと
- Macbook airをずっといじっている人ともう一人は生きている人なのか
- 古賀さんは生きているのか(一度中西の呼びかけが聞こえないことがあった)
- 中西はどう取り返しがつかなくなってしまったのか
など、その世界のルールが読みとれなくて、ふわふわした気持ちで観たのだった。
映画『VILLAGE ON THE VILLAGE』公式サイトwww.villageon.ooo
上映後のトークで、黒川監督、ゲスト太田信吾監督、近藤さん役佐伯美波が語らっていたのだけど、黒川監督が細かな整合性はある程度捨てて、むしろこれこそが映画なんだ的力強さを大事にした旨語っていた。
そして偽日記に書いてあったとおり、プロダクション・ノートが非常に興味深い。