Next to her 彼女のそばで

 ただ券をいただいたので有楽町に参りまして、東京フィルメックスに。土日上映で、日本じゃ公開されなそうなものということで『彼女のそばで(原題: Next to her)』を鑑賞した。(本当はダリー・マルサン観たかったんだけど、水曜日だけ上映って観せる気無いでしょ。)
 イスラエル映画というだけで娯楽作でないな、愉快ではないなと想像つくと思うが、まさに厳しい現実をみせられるそんな映画だった。
 知的障害を持った妹ガブリエリと暮らす姉ヘリ。母は別居して自分の生活を生き、父の姿は見えない。働きに出れば、福祉カウンセラーから頻繁に電話がかかってくるし、家で妹といてもちょくちょく問題を起こす。姉は確かにこの暮らしに追い詰められている。
 しかしながら一方で、彼女は精神的に妹に「依存」している。ある種、共依存の関係になっている。姉は、眠るときに妹を抱き枕的に求めてしまう。たとえ、恋人と交わった後でも。
 この映画はその危うい共依存関係と、ヘリに恋人ができて同居し始めることで、2人の関係性が動き始めることをゆっくりと描き出す。


『彼女のそばで』 Next to Her | 東京フィルメックス・コンペティション : 第15回東京フィルメックス/TOKYO FILMeX 2014


『彼女のそばで』アサフ・コルマン監督Q&A : デイリーニュース : 第15回東京フィルメックス/TOKYO FILMeX 2014