それから

 ホン・サンス監督、それから。DVDで。
 モノクロ。
 愛人が退職し去った零細出版社社長の下に、新たに働きにやってきたキム・ミニ演じるアルムが、社長夫人の勘違いからビンタされたりなんだり。
 神や信仰についての会話劇だった。
 2つの時制(アルムがやってきた今、と、社長の回想だろう過去)が並行して描かれるのだけど、時制が交わったかのように見せるシークエンスが用意されており、WOWとなる。
 最後のシークエンスでタイトルの意味が語られる。読み直そうかな。

それから [DVD]

それから [DVD]

大徳寺龍光院 国宝 曜変天目と破草鞋

 MIHO MUSEUMにて「大徳寺龍光院 国宝 曜変天目と破草鞋」
 曜変天目どころか、この企画展自体が30分だか1時間だか待ちが必要になる有様。
 自家用車で行くなら、閉館ギリギリくらいに曜変天目に並ぶと、企画展は並ばないし、数分待ちで曜変天目が見られる(閉館時間は多少融通してくれるがバスの時間は融通利かないので)。当然、企画展の他の展示品もたくさんあるので、落ち着いて見れなくなるのが難点ですが(まあ落ち着いて見るのはどうやっても無理でしょうね)。
 まあ、曜変天目は、きれいでしたよ。別途展示されている油滴天目や、常設展の方で展示されている耀変天目よりも、神秘的で「いわく」を感じる。

 でもね、やっぱりMIHO MUSEUMは常設展こそが主役。今回も、あれだけ並ぶ曜変天目も常設展の展示品には叶わない。だって3000年とか前のレリーフとか宝物みたいなのがありがたみも薄目で展示されているんですよ?エジプト・ギリシア・ローマ・西アジアは本当にすごい。石や金属の文化圏は残ってうらやましい。中国は素材のせいで時代が新しいのかな(といっても1000年前とかですが)。
www.miho.jp

愛がなんだ

 今泉力哉監督、愛がなんだ。平日午後3時で満席というすごみ。
 岸井ゆきの演じるテルコを主人公として、テルコが思いを寄せるマモル、テルコの親友葉子、葉子に思いを寄せるナカハラ、マモルが思いを寄せるすみれを中心に(といっても、前半体感99%テルコの表情がスクリーンに映し出されていたが)描かれる。
 上に「思いを寄せる」が3度登場する通り、矢印は行き違う。そして、思いの非対称性が相似形であったり、鏡像であったり、お互いの関係性にもフィードバックされたりする。
 テルコはどこにも行きつかない。テルコは、逡巡こそするものの、テルコであり続ける。中盤、鏡像のように描かれたナカハラとは決定的に異なっていた。では「テルコ」とはなんだ?そして、テルコがマモルに寄せる思いとはなんだ?
 狗飼恭子が↓と言っていたが、


なるほど、ホラーとして捉えれば、いろいろ腑に落ちる。
 この映画のヒットに伴い、筒井真理子片岡礼子にもっと陽が当たるようになるといいなと心から思う。
 愛がなんだってんだよ!
aigananda.com

レディ・バード

 言わずと知れたグレタ・ガーウィグ監督第1作レディ・バード。prime videoで。
 愛しい映画。

次の電車があと何分で来るか分かるガジェットをM5stackで作ってみたい

qiita.com
github.com

↑を作ってみたいのだけど、AWSのアカウントをつくったところで死んだ。
ソースコードが公開されていても、AWS Lambdaにどうやって書くかがわからん。

インポッシブル・アーキテクチャー もうひとつの建築史

 埼玉県立近代美術館にて。
 思ったよりは刺激が少なかった。黒川紀章のHelixが飛びぬけて「impossible」だったけども、まあぬるま湯な展示が多かった印象。
 個人的には、岡本太郎の「僕らの東京都設計図」を見て、昨年の表参道での会田誠の個展「GROUND NO PLAN」を想起したのだけど、ちゃんと最後に回収されていて、まあそうだよな感を持った。ザハ・ハディド案とか別に「impossible」じゃないし、impossibleの定義はよくわからなかった。
 模型の作成にクレジットされている建築系研究室の学生たちは地獄を見たんだろうか?そっちのエピソードの方が「impossible」感があったりしないだろうか。
www.pref.spec.ed.jp

cf.
www.obayashifoundation.org

月夜釜合戦

 ユーロスペースで月夜釜合戦。上映後ティーチインは佐藤零郎監督・川瀬陽太瀬々敬久の3人の回。
 瀬々が控えめに「映画がうまくない」と言ったように、well-madeからほど遠いところにあるこの映画。後半(特に残り30分くらいから)物語は淀んで物語的な面白さは薄い。ただ関西に過ごしたことのある人間にはわかる、釜ヶ崎の空気を切り取った記録映像的価値の高さが光る。新世界もどんどんキレイに脱臭脱色されていく昨今、何か忘れてはいけない光と影の影の部分を思い出した。そして、影というのは悪い意味ではなく、単に影なのであり、そこにはそこの生活や喜びや幸せがあるのだと。
 まあでも、足立正生を出演させて物語世界を少しでも外へ開く意図云々は、それは自主映画界隈の内輪の論理であって、別にそれで物語が開くかというと。。。
tukikama.com

インターステラー

 クリストファー・ノーラン監督、インターステラー。prime videoで。とんでもない映画だった。
 映画は3次元を2次元のフィルムや撮像素子に写し取り、それをスクリーンやテレビに投影して観るものと認識している。メディアの性質上、2次元までしか扱えない。それを錯覚やら、「決め事」を用いて、3次元を再現しようと試みている、と認識している。
 この映画では4次元や5次元が取り扱われ、表現されている。そして、ブラックホールワームホールも取り扱われ、表現されている。それが、私にとっては何よりも衝撃的であって、この映画は私にとって唯一無二の存在となった。
 オチ的に無次元のモノである「愛」が取り扱われるところとか、ツッコもうとする人からすればツッコミどころ満載なんだろうが、何よりも子供の頃から宇宙物理が映像化されていることに興奮してしまい、それどころでなかった。一級の宇宙論学者(Kip Thorne)が製作総指揮なのだから、一般民がその点に関して考証することは難しかろう。

個人的な参考文献はこれ。

まんが・アトム博士の相対性理論

まんが・アトム博士の相対性理論

まんが アトム博士の宇宙探検 (アトム博士のまんがシリーズ)

まんが アトム博士の宇宙探検 (アトム博士のまんがシリーズ)