ジェシーの背骨

 山田詠美ジェシーの背骨を読んだ。
 僕の中での彼女の作品のイメージ(専ら対等な男と女の間のセックスを媒介とした愛)と違い、女が、愛する男の連れ子との間での心のつながりを描いた小説である。なんかうまく説明できてないけど。
 今までセックスでしか、肉体での愛情しか感じてこなかった女性ココ。両親(リックと元妻)が憎みあっていることから、心がひねくれてしまっていて、愛情を表現する術を知らないジェシー。2人が不可抗力で(ココがリックを愛することとセットとして)接していく中で、セックスよりもしちめんどくさい、でもいとおしいような感情が芽生えていく過程を、丁寧に描いている。解説にも書いてある通り、身体感覚によって書かれている小説で、読むと体と心が密接で表裏一体なんだと言うことを感じる。
 なんというか、この文章読むより実際に作品を読んだほうが早い。