過疎地に生きること

 ゆれるを観て考えたんだけど、稔くんに救いはあるのだろうか?あの映画は兄弟の関係性というものを描くために、悲劇の原因である田舎に住み、家業を継ぎ、親の面倒を看るという稔の生活はステレオタイプ的に説明され、隅に置いておかれるわけだけど、お勤めを終えて娑婆に出てきた稔くんは呆けた親父を抱え、悪意ある視線を浴びながら、変わらない、いや以前よりも厳しい生活を送らなければならない。そして、映画は稔の笑顔だけをスクリーンに映し、何も説明しない。救われない。なんだ?やはり、チビで、もてなくて、きもい兄貴はしみったれた田舎で呆けた親の面倒を看ながら消え行くように人生をやり過ごすしかないのか?人生ってつまんねえな。