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今夜、すべてのバーで

 日曜日の昼間っからつまらなくて酒浸ると死にたくなるわけだけど、ついでにもっとダメな人の話でも読んどくかと思い、読み返し。やっぱり面白いなあと思う。
 アル中の主人公が入院して退院するまでの治療描写と人間描写で、アル中について下調べをかなりしていることもあって、理屈バカにはたまらない(理屈っぽいのが嫌いな人は長々と続く説明部にうんざりかも)科学的な部分もあるんだけど、基本的にお話として面白い。それは登場人物たちがフィクションの中でのレベルだけど、色を持ってるし、奥行きを持っているから。そして、この小説には多くの中島らもの分身がいて、小島容だけでなく、赤河であるとか、さやかにも明らかにらも自身が投影されていて、小島容と赤川の会話なんかは、個人的に僕はよくするのだけど、自分の頭の中で2つの立場が議論をするような、それを外から眺めているような感覚がある。だからなのか、中島らもの脳みそを覗いているような感じだった。まあ、彼の死に方を思い出すと不謹慎ながら感慨深いものもある。

今夜、すベてのバーで (講談社文庫)

今夜、すベてのバーで (講談社文庫)