ノスタルジア

 タルコフスキーの「ノスタルジア」。おれタルコフスキー苦手だわ。
 「サクリファイス」同様、美しいし詩的だし、何か言葉にしにくいすばらしさを持っているのは観ていて感覚的にわかるのだけど、なんかやはり苦手。まず、すごくゆったりしているのに、全く冗長でないので気を抜くことができない。発される言葉の数が少ないのに一つ一つ意味深で聞き逃すことができない。映像にしても然り。ゆったりとした動きで撮影されているけども、緩んでいるのではなくむしろ張り詰めているので気が抜けなくてものすごく疲れてしまう。そして暗い。コントラストが弱くて、スクリーンから与えられる情報が少なすぎるので、なぜか眉間にしわを寄せながら観ていた。この不思議な緊張感や一回性的なものは本当に疲労してしまう。
 文句書いてみたのに、これがそのまま賛辞になっている気がしないでもない。

ノスタルジア [DVD]

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