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カラフル

 森絵都のカラフル。いいお話だし、楽しく読めたのだけど、『悪』に奥行きがないな、と。
 話のオチ自体は、小説半ばにして想像できてしまう(他に伏線がないからねえ)のだけど、この小説のキモはそのオチではなく、周りの人間たちの人間としての奥行きや豊かさを通して、主人公が世界に彩りを取り戻すところにあるのはわかります。小学生の課題図書であれば、それでもいいでしょう。でも、世界の彩りには間違いなく悪の色を含めるべきで、それを受け入れても、この世界は捨てたもんじゃないという話にすべきだと思う。それ、が世界でしょう。
 いや、十分おもしろかったですよ。物語として。

カラフル (文春文庫)

カラフル (文春文庫)