中原昌也と蓮實重彦の映画談議

 ゲストに中原昌也蓮實重彦を招いた対談に行ってきた。蓮實は知的な学者オーラを放っていたし、中原は変人オーラを漂わせていた。話し始めると、蓮實はよくしゃべったが、中原の方は紙の上と違い、毒を吐くことも無く、かなりおとなしかった。そういう意味では蓮實だけをゲストに呼んで、誰かがインタビュアーとして質問すればよかったのでは?と思った。
 蓮實は映画についてはしゃべりだしたらとまらない様子で、ホントに映画が好きなんだなと思った。「あの〜あれは屑みたいなものですね」と言ってみたり、映画の嗜好がアメリカ大統領選挙の話にリンクしていったり、マイケル・ムーアの撮ったものは映画ではないと言って見たり、御法度はいいじゃないですかと言ったりetc・・・。対談中やたらと「犬猫」という映画を薦めてきたので見てみたいと思った。
 中原も蓮實から質問を投げかけられると映画に対する思いが垣間見えるような時も多々あり、シュリはゴミだとか、キル・ビルっていいですか?みたいに意気投合したり、反論(紙の上での舌鋒の鋭さから考えると全然反論とはいえないレベル)したりしていた。が、人前でしゃべることには、どう見ても慣れてないみたいだった。
 ふたりともゴダールに対してはなみなみならぬ思いがあるみたいで(好意か悪意かはさておき)、時間が足りなくなるから、今回は触れるのを遠慮したみたいだった。
 最近の公開作にも触れていて、僕自身も考えることができ、満足できた2時間半だった。でも、もっともっと見てみることをしないと彼らの話にはついて行けなそうだ(笑)
なお、犬猫の監督井口奈己は11/22日付で朝日新聞の取材を受けたみたいだ。