湾岸線に陽は昇る

 ドリアン助川の湾岸線に陽は昇るを読んだ。この本には自叙伝的なエッセイ、詩、散歩の記録物が収められている。
 パンクだな、哲学があるな、と思う。彼の詩には言葉のありのままの姿がある気がした。思いを日本語というツールで詩という形にしたもの、という感じ。韻とか、作られた洗練された美はない。切りっぱなし、作りっぱなし、むき出しのままである。
 エッセイにしても詩にしても、内容も見た目もかなりこっぱずかしい。パンクってものはそういうもんだろう。それが読むに堪えるものであるのは、彼自身がそれをこっぱずかしいものであると自覚しているからだろう。

湾岸線に陽は昇る (講談社文庫)

湾岸線に陽は昇る (講談社文庫)