黒沢清の叫。悪かないけどそんなにおもしろくもないでしょうよ。
 オープニングに東京放送とエイベックス様がクレジットされて、停止ボタンを押したい気持ちに駆られたが、耐えた。黒沢清だけあって最後まで観れるし、なんか腑に落ちない違和感があって楽しめたのだけど、なんで怨みの対象が死ぬんじゃなくて、殺すんでしょう?
 気づいてみれば、ホラーほど(これがホラーかどうかは別として)画面の外側を意識する映画はない。なんせ怖いやつがどっから出てくるかわからないのだから。冷静に考えれば、いる場所が画面外だとして、どうせ画面にフレームインさせたときしか見えないのだけど、どうも本能的に画面外をあれやこれや想像力を働かせてしまう。
 ただ、最初に思ったほどこの映画は怖くなくて、むしろ美人の幽霊なら好きにしてくれたらいいんじゃないかと思わなくもない。そして、オチはそれほど意外ではない。

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