Nのために。プライムビデオで。素晴らしかった。
10話のうち、2話が青景島、残り8話が東京を舞台としており、8話のうち3話がN作戦、残り5話がN作戦2に割かれる。
- さざなみに火をつけたのは誰か?
- 野口夫妻を殺めたのは誰か?
この2つの謎を駆動力として、時に高野の力を借りながら物語は進む。9話・10話で明かされるのだけど、それが論理破綻しない形で詳らかにされるので、安心して観ることができる。
正直に書けば、前半(3、4話くらいまで)はダルい。ある種、物語としてはありきたりな、どこかで観たようなストーリーが展開されるからだ。ただし、前半で登場人物が皆出揃う中で、彼ら(特にNたち)の人物造型を細かなエピソードの積み重ねにより、過度に説明的になることを避けつつ行ってきたことが、後半のN作戦2で非常に生きてくる。登場人物の彼らが皆、基本的に善人であり(一部例外あり)、信頼に足る人間であることを観客として信じることができるので、N作戦2における一挙手一投足に感情移入し、目が離せなくなった。どうして彼らが「そういう」言葉を放ち、「そういう」行動を取るのか、過剰でなく説明されていて納得感が大きかった。
ここらへんのコントラストが、効いていたように思う。
脚本が、過剰な説明(露骨な説明のためのシークエンス)なく、破綻なく仕上げていて、素晴らしかった。伏線の回収も忘れておらず(観客としては忘れていたのだけど)、良かった。お前もNだったな!みたいな。
若干あざといと言われてもしょうがないと思うが、構図の切り取り方や、彩度を調整した画もなかなかよかったと思う。
これはおすすめ。2010年代の冬彦さんもイメージしたんだろうな。
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