恵比寿映像祭

 エイヤル・セーガル 「GROUND LEVEL」
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Displace vol.2エイヤル・セーガルGROUND LEVEL - LOKO GALLERY
を目的にギャラリーに伺ったところ、これは正直そんなに面白くはなく、一方で恵比寿映像祭なるものが催されていることをそこで知り、他もちょいちょいと廻ってみましたという感じ。
 個人的に印象に残ったのは、戸島麻貴「imaginary lines」と、相模智之「Behind Closed Doors」。どちらも(たまたま?)作家が来廊していた。

戸島麻貴「imaginary lines」

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 イラストの方は正直ほとんど興味がわかなかったのだけど、新作ビデオインスタレーション「Between the birthday and the deathday」の方に非常に興味を惹かれた。語りたいのだけど、配られている冊子に

今回本作をご覧下さった皆様、本作は今後も制作を続ける予定ですので、作品の種明かしは私と皆様の間で秘密にしておいてくださいね。

とされているので、作品の枠組みについては触れない。本作はタイトルの通り、the birthdayとthe deathdayについての作品なわけで、私はてっきり、人間は記憶(=過去)に生きる生き物であるということを観覧者に気づかせる仕組みなのかと感じたのだけど、配られている冊子から見比べてみるとどうもそうではないようだ。とすると、作家が大きく編集をしているということか。自分で観た時の印象としては、時間軸に関しての編集1つだけで勝負しているものと勘違いしていたようで、前述の感想を持った。いずれにせよ、情報量の多い作品で、これは体験の価値が大いにある作品と感じた。10分をはるかに超えて、ぼーっと作品世界に浸りながら思考を巡らせて他人の人生というものに思いを馳せる体験。

相模智之「Behind Closed Doors」

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kobochika.jugem.jp
 木造建築や団地建築の写真集合。作家本人も語っていた通り、撮影者としての存在感をなるべく薄くするために鉛直と水平を乱さずに取られた数多の古い住居の写真群。そこに浮かび上がってくる生活のにおい。並べられることで比較され、意味を持ち始めるちょっとした意匠の数々。
 作家本人ともお話しさせていただいたが、

  • 定点観測的な観点での作品構成でも見てみたい
  • 家、ついて行っていいですかでのいくつかの回のような心をつかまれる思いがある

などなど。