沼波弄山翁 生誕三百年 企画展 「萬古焼の粋」

 ばんこの里会館にて萬古焼の企画展 「萬古焼の粋」。
 萬古焼の起こりから、絶え、再興し、現代の萬古焼へとつながっていく様を、いくつかの説明文と焼き物そのもので追っていくという展示。
 結論から言うと、500円で損はしなかったけども物足りなかった。歴史ゾーンは興味深かったしいいとして、現代ゾーンが物足りなかった。基本的な展示思想として、「萬古焼でもこんなんできまっせ」なのであるが、陶器は100円ショップで“Made in China"が多種多様に品ぞろえされ、樹脂容器も種々に生産されている現代において、問題意識が薄すぎると感じた。萬古焼でなければならない理由、他の○○焼ではなく、萬古焼を買わなければならない理由を示してほしかった。
 おそらく国内シェア80%を超える土鍋に代表される耐熱性耐火性になると思うのだけど、そこのアピールと、萬古焼でなければできない製品の協調が必須であろうと感じた。また、現実問題として、やはり土は輸入原料であることを示すのは展示としての最低条件ではないかと感じた。朝鮮製の土を見出したことが、萬古焼の歴史において重要なことだったようだし。(現在はジンバブエ産?南ア産?がほとんどなのかしら)
三重県工業研究所 研究報告 ペタライト含有量を低減させた耐熱陶器素地の開発
ginpo.co.jp


 別件でも写真トップに持ってきてある戦中の金属代用品である萬古焼のガスバーナーはやっぱり印象的ですよね。(展示されています)
www.nikkei.com

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