失敗の本質

 失敗の本質。文庫にて。
 毎年8月になるとNHKのドキュメンタリーで「戦争」を取り扱ったものがたくさん放送されるものの、気乗りせず、ほとんど見てこなかった。本書は名著として称されること多く、取っ掛かりとしてもよいかなと手に取った。読んでよかった。

わずか6つの作戦についてのみ取り上げ、戦略・戦術面のみからの失敗について掘り下げて議論するものであり、

  • Wikipediaよりも記載は簡潔(Wikipediaの記事がこんなに長いとは)
  • だいたいドキュメンタリー等を観ていると、一人一人に光を当て、数ではないという議論がなされるが、本書は数や流体として扱うことにより見える全体像を描くことに集中している

ことで、ある程度感情移入を抑制されることもあり、事実を追う点で役立った。
 ノモンハン事件は、まあ、こんなものかなと読んだが、読み進めるとガダルカナル以降、あまりに非道く、悪化していくので辛いものが増していった。
 ETV特集澤地久枝によるミッドウェー海戦の調査をドキュメンタリー番組化したものがおりしも放送され、番組の内容を理解する上での足場となった。