アール・ブリュット 動く壁画

 ボーダレス・アートミュージアムNO-MAにて。
 4人の作品が展示されているのだが、その展示に至る前に、“4Kキャメラ”で本展のキュレーターが撮影した映像を見る。次いで、実際の作品を鑑賞するというスタイルの展示であった。
 賛否両論あると思うのだけど、要は作品の見方を先に提示してしまうという効果があるわけで、実際の作品を目の前にしたときに、どういった距離感で、どういう速度感で、どの方向に作品を見回すかというのは、鑑賞者に与えられた権利なわけだけども、それをある種縛る。作者に依っては忌み嫌うのではないかとも思うが、まあ、間口を広げる的な意味があるのではなかろうか。
 今回の4人の作品は、形容しようとすると、「夥しい」。世界というのは情報量過多であるために、私の脳は情報の多くを捨て、抽象化して処理して、「見て」いるし、表現するときも、そのように表現するのだと思うのだけど、彼らはそうしない。夥しいほどの情報量を、情報量の観点からは落とすことなく「見て」、そして表現しているのかしら。
www.no-ma.jp