明け方の猫

 友達から貸されて、図らずも朝のガスパールに引き続きメタ小説を読むことになった。夢の中で猫になっている男を主人公とすることで(最後まで猫の姿のままだけど)、世界というやつを(小説中で世界なんて総体は存在しないんじゃないかという問いも生まれているが、ここは便宜的に)人間と違う角度から捉えなおし、なんで生きているのか?という根源的な疑問に触ろうとしている。残念ながら答えはでないが。これ自体が面白いかというと僕には面白いが(interestingであってfunではない)、そういうことに生理的に興味のない人には受け付けないだろう。まあ、そんな人は保坂和志なんか読んじゃいけないのだが。

明け方の猫 (中公文庫)

明け方の猫 (中公文庫)