山内マリコのここは退屈迎えに来て。これは実に"くる"短編集だった。
浅野いにおの「ひかりのまち」を思い出しながら読んだのだけど、ある地方都市(たぶん富山なんだろうけど)での主人公を違えた群像短編集で、地方であるが故の鬱屈のようなものが描かれる。
全編を通してセンチメントで構成されているので、小説として”いい”のか”悪い”のかを判断するとすれば、悪いだろう。私のセンチメントをくすぐり、満たすけども、それはかなりピンポイントな人にしか当てはまらないはずで、その他大勢の人に取っては「キモチワルイ」のではないだろうか?
とはいえ、大変おもしろく読んだ。人間が描かれていて、それは私の知らない人々で、それぞれに生きてきて、これからも生きていく。
- 作者: 山内マリコ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/08/24
- メディア: 単行本
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