モダニストの日本美―石元泰博「桂」の系譜

 三重県立美術館にて、モダニストの日本美―石元泰博「桂」の系譜。
 モダニズム建築という波が西欧にて巻き起こった一方、そのエッセンスがすでに近世日本建築(特に桂離宮)に存在していることが発見された。その一通りの流れを、画家三好好太郎の作品から始め、石元泰博の写真に到達するという展示によって、追体験しようという試み。
 彼らが日本的美であるとかモダニズム的に美と定義したものは、主に直線で構成され(建築だから当たり前?)、原則対称性の極めて高い形状(展示されている写真も等角図を意識したのか、写真の底辺からの構造の角度が30度のものが多い)なんだけども、“遊び”として若干対称性を崩す(石のような天然物の形状や、格子を増やしたり減らしたり)というものと感じた。言語化するのは難しいのだけど、直感的にはよくわかる。
 最も印象に残ったのは、丹下との論争の中に出現した、岡本太郎であった。
 館長さんが三好好太郎マニアなのかな?恥ずかしながら本展にて初めて知りました。
三重県立美術館 モダニストの日本美―石元泰博「桂」の系譜