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ニシノユキヒコの恋と冒険

 井口奈己監督のニシノユキヒコの恋と冒険。相も変わらず映画館には7人の観客しかいなかったよ。。。
 原作において、ニシノユキヒコは血肉の感じないキャラクターなワケですが(川上弘美の小説に出てくる人物みんなか?)、映画は映像をつくらなければいけないので、どうしても血肉の存在する竹野内豊先生になってしまうわけです。川上弘美の小説の「ふわふわ感」みたいなものはどうしても、映画では難しいわけで、だから小説とは別の「ニシノユキヒコの恋と冒険」になっています。
 井口奈己の映画だと思うと合点がいく映画で、細部から積み上げられてつくられている映画で、“チャーミング”であることに並々ならぬこだわりを感じることができる。
 しかし小説で読んでいるときは、どんなに歯が浮くセリフでも目を覆いたくなるシーンでも、全然へっちゃらなのですが、映像として浴びせられると、帽子で目以外を覆わずにはいられませんでしたよ。こっ恥ずかしいことこの上ない。マナミが口紅乱してオフィスに戻ってきてブラ紐直すシーンとか、見切れたニシノユキヒコが頬にキスをするカットとか、数多い。いやー露悪的な映画ですわ。女の人は怖いですね。
 井口奈己の映画を観ている人なら、どこで「長回しの横移動パン」が出てくるのかなと思いながら観ると思うのですが、一応ありますよ。かなり控えめだし、なかなか出てこないので、自分の色を抑えたかなと思いながら観てました。
 みなみの顔のアップは、やはりトウキョウソナタ小泉今日子を思い出させる。監督が女だからか、特に配慮もなくうぶ毛から毛穴から肌荒れまできれいにピントが合った状態で見せられる。印象的な1カット。
http://nishinoyukihiko.com/