退屈な日々にさようならを

 今泉力哉監督、退屈な日々にさようならを。Prime Videoで。
 ENBUゼミナールには思うところがあり、そこは気になっていたが、この作品を誰かが激賞していた(誰だったか・どんなだったか完全に忘れてしまった…)のをみて、ずっと気になっていた。そしてPrime Videoに登録されたのも知っていてずっと気になっていたのをやっと重い腰を上げて観た。
 予想していたものは何もないが、はるかにアクロバティックなプロットで驚いた。そして、冒頭のシークエンスぬるくてだるいなと思ったのをこらえて、15分くらい見たところで虚を突かれて心を掴まれた。激賞もうなずける、そう思った。
 まさか、傑作なのか?そう思いながら観進めていくと、死を皆が知ったあたりから、ついていけなくなってしまった。もともと「死」が日常の1シーンとして描かれるサイコな映画ではあるのだけど、それにしてもサイコな人がサイコな行動をとった理由を開陳するシーンにあまりに感情移入できずに、心が離れてしまった。そこまではとても心奪われていたのに。。。
 2016年の作品なので、2023年から断罪するのは私としても思うところはあるのだけど、同性愛に必然性が感じられず、当事者に敬意が感じられないと批判されてもしょうがないだろう。
 また、今泉力哉のプライバシーがさらされすぎているが、いいのだろうか…まあ本人が良ければいいのだけど。